開口40mの敷地に、端から端まで建てられたHさんの住まいは、近隣でもひときわ大きな建物として知られている。
しかし、一部をのぞいてほぼ平屋で構成される端正なたたずまいに威圧感はなく、むしろ周辺のイメージアップをもアップさせる。
品格あるランドマークとして歓迎されている建物は、中庭を囲むように配置され、エントランスからLDK、水廻りのすべてを360度回遊することができる。
確かに大きな家ではあるが、中庭を据えたことで「広すぎる」と感じることはない。
季節や朝夕で変化する、光や風の表情を身近に感じ、その場所その場所で違った気分を満喫するのもまた楽しい。
家を建て替えるにあたりご主人が切望したのは、本格的な調理機器を備えた厨房だった。月に一度は手料理でゲストをもてなし、それがストレス解消にもなっているという。食べて飲んで大いに笑うという豪快にして豊かなライフスタイルは、熟年期を迎えた社交的なご夫婦のこれからの時間を、最高に充実したものにしてくれることと思う。
3.Welcoming House
Welcoming House
第21回 函館市都市景観賞 受賞作品